星屋フィリピン日記

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退職者ビザのデポジットをコンドミニアムの購入にあてる その2 手続き

さて、実際の手続きです。

必要な書類はPRAのウェブサイトにある、PDFにまとまっています。

 

http://www.pra.gov.ph/dl_form/file_name/73/Condominium_Unit_Checklist_and_Requirements.pdf

 

実際には、一度PRAの事務所に相談しにいくといいです。PRA発行のSRRVのビザがあれば、サービスカウンターに直接いけるので、デポジットをコンドミの購入にあてたい旨を伝えましょう。必要書類を教えてくれるはずです。ウェブの情報は古いことが往々にしてありますので。。

 

それではひとつひとつ、ざっと見ていきましょう。

 

1. Letter of Intent

コンドミの購入にあてたいという意思表示のレターですね。先のPDFにひな形があるので、それを使えばOKです。

2. Deed of Undertaking

 こちらもひな形がありますね。Notraizeが必要になるので、町のNotary Publicを掲げている弁護士事務所でやってもらいましょう。せいぜい200PHPぐらいでしょうか。

ちなみに、以下の文のwithの後ろは、何を入れるかわからなかったので、とりあえずフィリピンの振込先の銀行の名前の DBP と入れました。

US DOLLARS: _____ thousand ($__,000.00) (the “DEPOSIT”) with ______;

とりあえず、それで問題はなかったようです。いまは、DBP (Development Bank of the Philippines)しか振り込み先に選べないかと思います。

3. Agreement

こちらもひな形ですね。あとで、こういった書類を出すよーとか、年会費払うよーとかですかね。下記は、2016年現在ですと、360US$と記載すればよいかと思います。

. To pay the Authority, by way of visitorial fee, the amount equivalent to _____
per annum

 

年会費などは以下から確認できますね。

http://www.pra.gov.ph/main/srrv_program?page=1

 

4. Original of official receipt for the downpayment

これは、手付金などの領収書です。ディベロッパーが発行してくれます。予約金で十分です。せいぜい、20,000PHPとかですかね。

 

5. License to Sell condominium units

6. Certification (duly notarized) from the owner-developer of the condominium project on the following: that the purchase of the unit will not violate the 40% limitation

7. Certified true copy (by the Registry of Deeds) of the Condominium Certificate

 これらも、すべてディベロッパーが用意します。おそらく、普通に用意できるはずです。

 

さて、次ですが。。

8. Pro-forma Contract to Sell/Deed of Absolute Sale

これは少し、 注意が必要です。いわゆる売買契約書のようなものですが、すでにディベロッパーは各社のひな型をもっております。が、PRAは、以下の文面をそこに盛り込め、と言ってきています。

 

“The herein vendee of the above prescribed property is a participant in the Retirement Program of the Philippine Retirement Authority (PRA), a government corporation created under EO 1037, dated July 4, 1985(以下省略)

 

私の場合は、別紙で補足として、デベロッパーに追加すべき文面を用意してもらって、それをオリジナルのPro-former Contractに添付しました。特に問題は ありませんでした。

 

9. Master Deed with Declaration of Restrictions

10.Certified true copies (by the SEC) of the Articles of Incorporation

 この二つは、ディベロッパーが容易に準備できると思います。

 

さて、難関の

11. Undertaking from the developer/seller(notarized) to deliver/transfer the Condominium Certificate of Title with PRA restriction after ninety (90) days from date of full payment,

 です。CTC (Condominium Certificate of Title)という、このコンドミは誰それのものですよ、と証明するものがあるんですが、それをすべて支払ってから90日以内に発行するよ、とデベロッパーに誓約させる覚書になります。

 

まず、このCTCは、実際にはお役所からでるものなので、デベロッパーが実際にコミットできるものではありません。。で、フィリピンのお役所仕事はずいぶんと遅いので、通常は全部の支払いがされても、240~360日ぐらいはかかるのがざらのようです。なので、それを90日というのはどだい無理な話です。。ちなみに、私の場合は(今回のPDFが本当に最新版かどうかはちょっとわからないのですが)、2016年4 月頃に申請したときは180日以内に、という規定でした。

いずれにせよ、私は、この指定期間(私の場合は180日)のコミットをディベロッパーが発行するのにとっても時間がかかり(最初はデベロッパーは720日以内に出すという書面を用意してきました)、最初の予約金を無駄にするということになりました。

おそらく、この要件が一番もめると思いますので、ちゃんとコミットできるかを(実行できるかは別として、コミットするよという書類を出せるか)、購入前にこれだけはデベロッパーに確認した方がよいと思います。でないと、いろいろ予約金やら頭金を払ったのに、最終でPRAの許可が下りず、残金も自分で払う、あるいは払えなくて遅延金がどんどん乗ってくる、という状況になりかねません。

ちなみに、PRA側もこの期限の設定に対して言い分はありまして、悪徳業者だとCTCを発行できる、最終的に申請者が泣きを見るということが、往々にしてあったようです。実際に、PRAの担当者との話し合いによっては、ディベロッパーは90日や180日は無理だけど、240日なら行けるって言ってるから、これで進めさせてくれというような交渉は可能な感じでしたので、相談をしてみてください。

 

12. Latest Annual Tax Return of the Developer (1702)

これもデベロッパー。ちなみに、Filinvestの場合は、直接PRAにこの書類だけは送っていました。個人に公開はしたくなかったのかと思います。

最後の、

13.Tax Declaration and real estate tax receipts

はとくに問題ないでしょう。

 

で、先の PDF で、私の時とは違うのが、

II. In case of full payment of the Unit, submit the following: Within five (5) days from date of withdrawal of the deposit, duplicate copy of the Deed of Absolute Sale, duly notarized; and

というもので、まあ、支払った5日以内に、完全に売りましたという証明をNotarizeして出せということですが、基本的にはディベロッパーに準備させるものかと思うので確認ですかね。

 

あと、今回のPDFの最後にもひな形がありますが、Waiver  of Liabilityを出しました。ただ、要求される書類には入っていないですね。。

これらの書類を全部だしたあとに、PRAのスタッフが、実際にそのコンドミがあるか、確認をしにやってきます。ピックアップの車などもこちらで用意する必要があります。

 

以上で、手続きはほぼ完了でしょうか。上記の実地確認の後、3週間ぐらいで、ディベロッパー宛ての小切手がPRAから出されて、ようやく解放されます。。

 

いろいろな手続きのやり取り、また最終の小切手の発行までの時間もあるので、おそらくディベロッパー側が設定した残額支払いの期限までには間に合わないことが往々にしてあると思います。私は間に合わず、ペナルティとして数%払う必要がありました。

この辺りはある程度、ディベロッパーの営業と交渉でしょうが(私もかなりやりあいましたが、、)、お互いリードタイムが見えない中でのやりとりなので、ある程度は覚悟しておいた方が良いかもしれませんね。

 

いずれにせよ、コンドミを決定する前に、何が必要になるか、また、過去にPRAのデポジットの変換についての実績があるか(かつその担当者がまだ辞めないで残っているか)、などについては確認した方がよいと思います。

 

皆様の参考になれば幸いです。